MT4/MT5でEAやインジケータを開発する際、MQL言語の機能だけでは実現が難しい処理があります。そのような場合に役立つのが「DLL」です。
今回は、DLLとは何か、そしてEA開発においてどのように活用できるのかについて解説します。
DLLとは何か?
DLL(Dynamic Link Library)は、ダイナミックリンクライブラリの略称で、複数のプログラムで共有できる機能をまとめたファイルです。
DLLには以下のような特徴があります:
- C/C++などの言語で開発され、高速な処理が可能
- MQL言語では実現困難な処理や、外部システムとの連携が可能
- 複数のEAで同じ機能を共有できる
- ソースコードが公開されないため、ロジックを保護できる
MT4/MT5でのDLLの使用方法
MT4/MT5でDLLを使用するには、まず「#import」ディレクティブでDLLファイルを読み込み、使用する関数を宣言します。
基本的な使用例:
#import "MyCustomDLL.dll"
int MyCustomFunction(double param1, double param2);
#import
void OnStart()
{
double value1 = 10.0;
double value2 = 20.0;
int result = MyCustomFunction(value1, value2);
Print("Result: ", result);
}
ただし、DLLを使用する際はいくつかの注意点があります:
- DLLファイルはMT4/MT5のインストールフォルダ内の「/MQL4/Libraries/」または「/MQL5/Libraries/」に配置する必要がある
- 32ビットと64ビットのDLLは互換性がないため、使用環境に合わせる必要がある
- セキュリティ上の理由から、信頼できるソースのDLLのみを使用すべき
EAでのDLL活用例
DLLを活用することで、以下のような機能をEAに追加できます:
- 高度な数値計算:複雑な統計処理、行列計算、最適化アルゴリズムなど
- ディープラーニング・機械学習:学習済みモデルによる相場予測
- 外部データベース連携:SQLデータベースへのアクセス、データの保存と読み込み
- ネットワーク通信:APIからのデータ取得、ウェブサービスとの連携
- 画像処理:チャートパターンの認識など
- 高速な計算処理:MQLよりも高速な処理が必要な場面での活用
当社でのDLL開発サービス
シストレパートナーズでは、お客様のニーズに合わせたカスタムDLLの開発も承っております。
以下のようなケースでご活用いただけます:
- 既存のEAに高度な機能を追加したい
- 複数のEAで共通の機能を使いたい
- 処理速度を向上させたい
- 独自のアルゴリズムを外部から利用したい
- トレードロジックを保護したい
DLLの開発・活用についてご相談がありましたら、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
お客様のトレードシステムに最適なDLL開発をサポートいたします。