FXの取引手法には大きく分けて「順張り」と「逆張り」の2種類があります。
順張りがトレンドに沿った方向でエントリーするのに対し、逆張りはトレンドに逆らう方向でエントリーする手法です。
今回は、移動平均線を使った逆張り手法について解説します。
移動平均線と価格の乖離
移動平均線は、一定期間の価格の平均値を示すテクニカル指標です。価格が大きく動いた場合、一時的に移動平均線から乖離します。
この乖離が大きくなると、やがて価格は移動平均線に戻る(リターン・トゥ・ミーン)傾向があります。これを利用するのが移動平均線を使った逆張り手法の基本的な考え方です。
具体的な手法
以下に、移動平均線を利用した逆張り手法の例を紹介します:
- 20期間の移動平均線(MA20)を使用
- 価格がMA20から一定以上(例:標準偏差の2倍以上)乖離した場合に、逆張りでエントリー
- 買いエントリー:価格がMA20を大きく下回った場合
- 売りエントリー:価格がMA20を大きく上回った場合
- 決済:価格がMA20に戻った時点、または一定の利益幅・損失幅に達した時点
リスク管理の重要性
逆張り手法は、うまく機能すれば大きな利益が得られる可能性がありますが、トレンドが続く場合には大きな損失を被るリスクもあります。
したがって、以下のようなリスク管理が非常に重要です:
- 適切なストップロスの設定
- ポジションサイズの管理(資金の1〜2%程度の損失に抑える)
- 強いトレンド相場では逆張りを控える
- 複数の時間足での確認(長期時間足でのトレンド方向に逆らわない)
逆張りに適した市場環境
逆張り手法は、レンジ相場やボラティリティの高い相場で特に有効です。一方、強いトレンド相場では注意が必要です。
理想的には、以下のような市場環境で実施するとよいでしょう:
- 明確な上限と下限を持つレンジ相場
- 過去のサポート・レジスタンスレベル付近での反転
- 大きなニュースイベント後の急激な価格変動の後
EA化の検討
移動平均線を使った逆張り手法は、明確なルールがあるため、EA(自動売買プログラム)化に適しています。
当社では、このような手法をベースにしたカスタムEAの開発も承っております。ご興味のある方は、お問い合わせください。
実際のEA作成やパラメータの最適化を通じて、より効果的な逆張り戦略を構築するお手伝いをいたします。